ゲームにはまる不登校の子は、何から逃げてるの? <1月のスタッフ研修>
ふらっぷ高陽では、毎月1回スタッフ研修を行っています。講師は、広島大学大学院教育学研究科教授で子どもの適応支援やカウンセリングが専門の栗原慎二先生。ふらっぷ高陽のプログラム責任者でもあります。
今月も「カウンセリング」がテーマ。不登校のお子さんを例に、家で一日中ゲームばかりしている子どもの心の中で何が起こっているのか、カウンセリングをどのように用いて問題解決へと導くのか等を学びました。
■ゲームに夢中で不登校⁉ その子の心の中で起こっていることは…
そもそもゲームは刺激が強く即時に結果がでるため、ADHDなど過集中になりやすい発達特性のあるお子さんにフィットして、はまりやすい仕組みになっています。
一方、発達特性のあるお子さんは、学校では“できない自分”“うまくいかない自分”を実感せざるを得ない毎日を過ごしています。そんなお子さんの心の内には、常に「学校に行って“できない自分”をつきつけられることのしんどさ」から逃げたい思いがあります。
つまり、不登校のお子さんが恐れているのは先生でも友だちでもなく「“できない自分”に直面すること」なのです。
ところが、ゲームの中で達成感や満足感が絶えず得られれば、ゲームの世界で“できる自分”が見つかるため、その世界から抜け出せなくなるというわけです。
■しんどさを抱えるお子さんに、カウンセリングで行うこと。
もちろん、不登校とゲームの関係はそれだけではありません。また、ゲームに夢中になる理由もお子さんやご家庭によってそれぞれあるでしょう。
カウンセリングは、本人が少しずつ直面できそうなことを提案しつつ、一歩ずつの歩みを支えるものです。お子さん自身が“できない自分”に直面し、実生活の中での“できる自分“を見つけるお手伝いをするのもそのひとつ。
今回の研修では、心理的側面からもお子さんを理解するとともに、さまざまなカウンセリングの技法を用いて、お子さん自身が安心感に満たされた中で正しく自己評価できるようにする方法を学びました。
■ゲームがなくても、“できる自分”をいっしょに見つけましょう!
今回の研修を通し、お子さんが「できない自分」ではなく「できる自分」と思えるようになる支援をしていくことが必要だと、改めて感じました。ふらっぷ高陽の療育中にカウンセリングという形をとることはあまりありませんが、療育中の声掛けや態度で適用するよう個々のスタッフが意識しています。
お子さんや保護者の方々とよりよい関りができるようスタッフがスキルアップするとともに、何よりもお一人おひとりをかけがえのない存在として寄り添い、ともに歩む思いを新たにさせられました。
奥の深いカウンセリング…まだまだ私たちの学びは続きます!
担当:O
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