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  • ふらっぷ高陽

大切なのは問題解決ではなく・・・ 不登校児のこころを学ぶ(9月スタッフ研修より)



53人に1人、これなんの人数だかお分かりですか?


不登校児のこころ

タイトルを見てピンときた方もおられるでしょう。

お察しの通り、これは令和元年の小・中学校の不登校児(※)の人数です。クラスに1人か2人は、登校できない子どもがいるのが日本の現状です。思ったより多いと思われますか? 意外と少ないと思われるでしょうか?



「不登校・不適応行動について」と題し行われた9月のスタッフ研修。不登校の現状をいじめや校内暴力、虐待、自殺などのデータからその原因を考察し、学校や家庭などさまざまな角度から不登校についての理解を深めました。


■不登校の原因は?

講師は、ふらっぷ高陽のプログラム責任者で広島大学大学院教育学研究科教授の栗原慎二先生。長年にわたり不登校をはじめさまざまな学校の問題に取り組んでおられます。

今回の研修で、不登校の原因は学習や友達関係など学校での問題だけでなく、家庭環境や親子関係、さらには子ども自身が「十分に育っていない」ことも影響しており、多岐にわたっていることをデータを通し教えられました。


■戦場であり、救いの場でもある学校

個人的に特に気になったのは、「発達障害児にとって学校は戦場」ということば。学校生活に適応しているように見えるお子さんも、日々莫大なエネルギーを消耗し「適応しているフリ」をしているのかも。発達障害のお子さんは、きっかけがあれば不登校になる可能性が高いというのです。


その一方で、多くのお子さんにとって学校は、自分のこころや対人関係を成長させる場所。友だちとのおしゃべりやじゃれ合い、部活動などが大切な居場所になります。ある意味、学校が救いになっているというのです。


■不登校児にとって大切なのは、問題解決ではなく…

長年子どもたちに寄り添ってこられた栗原先生は、たくさんの事例をもとにお話ししてくださいます。印象的なお話がいくつもありますが、そのひとつ。


ある日、卒業生からこんなメールが届いたそうです。

「あの学校には私の居場所がなくて、それは自分が悪いと思っていました。でも、放課後に先生と話していたあの時間だけは特別でした。授業をさぼっても先生と話しにだけ学校に行ったこともありました。先生の言葉は、今も私の支えです。」


先生は、不登校だった彼女の問題を解決したわけでなく、放課後の面談でアタッチメント(愛着)の部分が埋められていたのだろうとおっしゃいます。



■ふらっぷとしてできることは?

今回の研修では、不登校のお子さんがどのような不適応行動をするのか、またその原因となる心理も深く学ぶ機会となりました。特に発達障害のあるお子さんに対しては、学習面や社会面の支援だけでなく、情緒面の支援がいかに大切であるかを学びました。

さらに、社会性や情緒面を育むためにふらっぷで行っているSEL(社会性と情動の学習)やPBIS(ポジティブな行動介入と支援)の必要性も再認識することができました。


不登校のお子さんに対しどのようなことができるのか。

ふらっぷ高陽がお子さんたちにとって、心休まる安心安全な居場所になるにはどんな工夫が必要なのか。

スタッフ同士が意見交換もしながら、ひとりひとり改めて真剣に考える時間となりました。



(※)文部科学省の調査『不登校の現状に関する認識』によると、不登校とは「何らかの心理的、情緒的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるために、年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的理由によるものをのぞいたもの」とされています。



▼ふらっぷ高陽では、不登校のお子さんの療育も行っています。

 療育内容は、こちらの「療育の6つの柱」のページをご覧ください。

 見学希望、体験希望、随時募集中です!

 

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