ぞうの大人はひどくなかった。今ならわかるその理由。
子育てファミリーにおすすめの書籍の紹介するシリーズ。今回は、ふらっぷでも大人気。お子さんの読み聞かせにぴったりの絵本をご紹介します。
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こんにちは。スタッフMです。
ふらっぷでは、児童発達支援を行っている2時からの療育で、絵本を読んでいます。
先日スタッフOさんが、かわいい幼児さんに読み聞かせしていたのが「ぐるんぱのようちえん」。
子どもたちはし~んと静まり返って、絵本に集中しています。
私も事務作業のかたわら「なつかしい~」と思いながら聞き入っていました。
「ぐるんぱのようちえん」は、わが家でも子どもたちに人気があり、何度も読み聞かせた絵本です。
リズミカルなことばの繰り返しがおもしろく、読んでいて楽しくなる絵本ですが、昔から疑問に思っていることがありました。
それは物語の前半で「さびしいよ~」と泣いてばかりいるぐるんぱを、大人たちが集団から追い出してしまうのです。「そうだ、働きに出そう!」と。
「どうして? ぞうの大人、ひどくない? 泣いている小さなぞうを突き放すなんて… ぐるんぱがかわいそう!」
私には、それがずーっと心にひっかかっていました。
でも、先日、子どもたちを見ていてふと思ったのです。
一見ひどいように見えるこのやり方、実は正解だったのかも、と。
集団を離れたあと、さまざまな経験をするぐるんぱの気持ちは「しょんぼり」という言葉でしか表されていません。
けれど、何度も繰り返される「しょんぼり」の数だけ、ぐるんぱは多くのものを積み重ねていました。
物語の結末は、その集大成ともいえる場面で終わります。
(どんな結末かは、読んでのおたのしみ♪)
見送った大人たちも、ぐるんぱがこんな風に成長するとは思ってもみなかったかもしれません。
ふらっぷの姉妹事業所「ほっとスペース ぷれしゃす」には、18歳以上の青年が集うスペース「ユースステーションつばさ」があります。
ぐるんぱのように、ふらっぷや学校という集団を巣立って社会に出て行った青年たち。
彼らの様子を見ていると、失敗や挫折を繰り返しながらも成長していくぐるんぱの姿と重なります。
「ぐるんぱのようちえん」の読み聞かせを食い入るように見聞きしている幼児さんたちも、いずれさまざまな経験を通し、つばさの青年たちのように成長していくことでしょう。
そう気がついたとき、みんなでぐるんぱをきれいに洗ってやり、それから見送ったぞうの大人たちの考えがわかった気がしたのです。
こんな風に思うのは、私だけかもしれませんが、以来これまで以上にぐるんぱに親しみを感じています。
みなさんは、「ぐるんぱのようちえん」を読んでどんなふうに感じられるでしょう?
よかったらお聞かせくださいね。
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